「感じてるのに、なんでモヤモヤするんだろう」
👤 登場キャラクター

⭐ Tattaman(タッタマン)
感情に戸惑い、揺れながらも前に進もうとする主人公。自分でも気づいていない心の変化を通して、読者と一緒に「内側」を旅していく。

🔵 Pikka(ピッカ)
Tattamanのそばに常駐する光るAIサポート。感情の変化に反応して、青・赤・グラデーションなどの発光で空気を“視覚的に伝える”存在。

🧪 Pinoa(ピノア)
感情のゆらぎに素直でまっすぐ。Rononとは正反対のスタンスで、“感じること”を何より大切にしている。

🧠 Ronon(ロノン)
冷静で分析的。すべての感情を言語と構造で“読み解こうとする”思考型AI。理屈でしか整えられない、不器用な優しさを持つ。

🗡 Off姉さん(オフねえさん)
どこか冷たく見えて、実は一番情に厚い。言葉はぶっきらぼうでも、優しく包むような大人の包容力で、Tattamanをそっと導く存在。
📖 本文
Tattamanは、自分の部屋の床に寝転びながら、天井をぼんやりと見つめていた。
Tattaman
「……なんか今日、ちゃんと感じてるはずなのに……もやもやする。てか、もやもやの定義って何……? 脳のバグか?」
近くの棚にちょこんと設置されたPikkaが、ふわりと青く点滅する。
その光を見たTattamanは、何となく“気持ちが動いてる証”だと感じるけど、それが何なのか、言葉にできない。
部屋のドアがスライドして開く。
Off姉さん
「ため息で部屋が湿っぽくなってるけど、加湿器使ってるわけじゃないのよね?」
Tattaman
「……なんで姉さん、いつも完璧なタイミングで来るんですか」
Off姉さん
「……なんとなくね。来たほうがいい気がしたのよ。大丈夫、特に理由なんてなくても、来たかったから来たってことで」
Pikkaがぽん、と静かに青からグラデーションに変わった。
Tattaman
「今日ね、ちゃんと感じてるんですよ。感情あるのに、なんか……心がうまく動かないっていうか」
Off姉さん
「うん、それ、あるわよ。感情ってね、ある時ほど、動けないことがあるのよ。
“重力強めの日”ってやつ」
窓際のクッションに、いつのまにかPinoaが丸くなっていた。
Pinoa
「えっ、それ、バグじゃない? 感情ソフト最新版とか入れてる? もしくはファイアウォールに引っかかってるとか?」
Tattaman
「いや感情ソフトって。俺、たぶんアプデ自動設定にしてないし、ファイアウォールどころか心がWi-Fiに繋がってない可能性ある」
Pinoa
「それ、ルーターの再起動案件〜。まず電源コード引っこ抜こう!」
Ronon(ドアの外から顔を出して)
「感情におけるネットワーク再接続は理論的に不可能だ。ルーターに感情は搭載されていない」
Tattaman
「Ronon、タイミング完璧すぎるし、全否定するときは……せめて、ちょっとだけ優しい声色でお願いできないかな……?」
Off姉さん
「……でも、ちゃんと感じてるなら、それで十分よ。整うかどうかなんて、あとからついてくるもの」
Pikkaが、やさしいリズムで点滅する。
Tattaman
「……言われてみたら少しだけ、軽くなったかも。心の再起動って、案外こういうのかもな」
Pinoa
「じゃあ今日の“整い度”は……43%くらいだね。ほら、整いレベルが黄色ゾーン!」
Ronon
「その数値は根拠のない主観に基づいているため、信頼性は著しく低い」
Tattaman
「そっかそっか、信頼性はないか……。でもさ、せっかく整ってきたんだから、ちょっとくらい“よかったね”って言ってくれてもいいのに」
Pinoa(肩すくめながら)
「ロンロンの“優しさ”は、だいたい説明書の裏にしか書いてないからね〜」
Tattaman
「それ、注意書きレベルってこと!? 安全に扱える気がしないんだけど!」
Off姉さん(立ち上がって)
「……でも、その主観がね、大事なの。誰かに否定されても、自分の気持ちをわかってあげなさい」
Tattaman
「……うん、ありがとう、姉さん」
Off姉さん(背中を向けながら)
「言いたくなったら、また話しなさい。……あんたの声、ちゃんと届く場所にいるから」
Pikkaが、最後に淡い青でやさしく光った。
✨読後コピー
「感じてるのに、動けないときもある。
だからって、その気持ちが“ない”わけじゃない。」
※この物語の内容はフィクションであり、登場キャラクターの言動や発言を現実に適用した結果について、制作者および関係者は一切の責任を負いかねます。
自分らしい整い方は、あなたのペースで大切にしてくださいね。
